2014年12月24日水曜日

医用工学―医療機器を中心に―

医用工学で主となる内容は、医療機器である。

医療機器にも用途によって数種類に分けられる。
そもそも医療機器の定義は、
「人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等であつて、政令で定めるもの」(薬事法第2条)
と薬事法で定義されている。

ここで使用用途は、診断・治療・生体機能の代行が主に挙げられる。

ここから、
診断に用いる生体計測装置
治療に用いる医用治療機器
生体機能を代行する生体機能代行装置
となる。

・生体計測装置
 1.電気や磁気を計測する機器
  例えば、心循環器・脳神経系の計測など

 2.物理・化学現象を計測する機器
  例えば、血圧・血流の計測、呼吸の計測、ガス分析の計測、体温計測など

 3.画像診断装置
  例えば、超音波画像計測、X線画像計測、RI画像診断、核磁気共鳴画像診断、内視鏡など

 4.検体検査
  例えば、自動分析化学検査装置、自動血液検査装置など


・医用治療機器
 1.電磁気治療機器
  例えば、心臓ペースメーカー、除細動器、電気メス、マイクロ波手術装置、カテーテルアブレーション装置など

 2.光治療機器
  例えば、レーザ手術装置など

 3.内視鏡
  例えば、内視鏡、内視鏡外科手術機器など

 4.超音波治療機器
  例えば、超音波吸引機器、超音波凝固切開装置など

 5.熱治療機器
  例えば、冷凍手術器、ハイパーサーミア装置など

 6.機械的治療機器
  例えば、結石砕石装置、輸液ポンプ、心血管インターベンション装置、吸引器など


・生体機能代行装置
 1.呼吸療法装置
  例えば、人工呼吸器、麻酔器など

 2.体外循環装置
  例えば、人工心肺、補助人工心臓など

 3.血液浄化療法装置
  例えば、人工透析、アフェレシス療法など



上記のように、数多くの医療機器が存在する。
これらを理解するためには、工学的知識に加え、物理・化学の知識、また生体の反応も考えなければならないため、医学的知識も必須である。

このブログでも、各々の医療機器について説明していく予定である。


これらの医療機器の原理から使用用途まで、幅広く知りたいという方には下記の本がおすすめである。

・MEの基礎知識と安全管理 改訂第6版:日本生体医工学ME技術教育委員会、南江堂、1991年6月10日 第1版第1刷発行

0 件のコメント:

コメントを投稿